2つの不思議な恋の物語と、2つを繋ぐ不思議な出会いの物語でした。
前半のつきこいは、等身大のごくごく普通の男女の恋模様を描いた作品でした。
まあ、出会い方は、不思議な感じではありましたけど、様々なことに悩んだりする主人公の新谷は、普通の人って感じでしたね。
その新谷が、不思議な「月待ち女」のイズミに声を掛けられたことによって、物語が動き出すわけなんですが、なんだか不思議な感じでした。
恋愛モノなのに、男側の新谷の描写が多くて、女性側のイズミの心情描写がないから、一方的でイズミが何を考えているのかよく分からないという、ミステリアスな雰囲気を生んでいるんですかね?
読者も新谷同様、彼女の言葉からしか心情が分かる手がかりがないですし。
なんだか不思議で、でも、最後は新谷を応援してやりたくなるような話でしたね。
後半の月下少年は、この「つきこい」より前の話で、イズミが何故に月待ち女になったのか、その理由が語られる話でした。
かなり淡い感じの恋物語で、ファンタジーの要素も入っているのですが、描写は大分少なくてイズミの恋に重点が置かれています。
1ヶ月間だけの恋というのは、なんだか切ないものがありましたね。
この2つの不思議な恋が織り成す物語は、切なくもなんだか優しい温かみがあって、私的に良い作品でした。
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